2011/05/03

菜の花や月は東に日は西に:その3

加速器ツアーを求めて受付へ戻るも、やはり午前の部は終了らしい。

受付場所を職員さんに聞くも、数カ所盥回されて、
結局最初に聞いたポイントだったのはさておく。
直感を信じなさいってことですね。

加速器というのは
緑の線形加速器と、赤のシンクトロンからなる施設。

緑の線形加速器で初速を作り、
赤のリングでエネルギーを増やして、
蓄積リング棟へ地下から飛ばす。

らしい。


ツアー自体は90分で加速器から蓄積リング棟へをすべて徒歩。
催行人数も9人ずつ、10分おきなので競争率が激しいみたい。

午後の部は12:00から受付のようなので、11:15から並ぶ。
前には8名。これなら2番目にはなりそうです。


12:00まで売店のパンや、買っておいたおやつで凌ぐと、
受付開始。

普通9人きっかりにならないので、4グループに分けて、
それを順番に職員さんが割り振ってたらしい。

Aグループ=12:30から
Bグループ=12:40から
Cグループ=12:50から
Dグループ=13:00から

みたいな。


自分達は5番目だったのでAグループ。


順番にならんでいるのを時系列前後させるのか不明だけど、
案の定というか、最初から2番目に並んでいたオッサンが文句言ってた。

オッサンは文句言ってAグループにさせたらしい、
気持ちはわからないでもないし、それはそれで良いんだけど

「その状況を知らない後続のグループに無言で割り込んでくるな」

いい年したオッサンが、周りに迷惑かけない。もぅ。




オッサンに軽く呪詛を飛ばしつつ。
予約時間までは他に行っていいとのことで、スタンプラスト1を押しに。ポンッ。


時間ギリギリになったけど、5分前に集合。バスに乗り込む。



 まずは線形加速器】の建家へ。
 ここから放射線管理区域ということで、入室が厳しくなります。
 写真は職員さんが個人キーであけているところ。
 この個人キーがないと開けれないのもそうなんですが、

 個人キーが1個でも建屋内にあると、
 加速器が作動しないそうです。へー。
 ※写真上部はデジカメのストラップです。

 線形加速器・シンクトロン・蓄積リングの関係図

 地図の拡大写真

 放射線測定結果が書きこまれてます。
 多人数が見学できる、蓄積リングとは異なる感じですね。

 なぜかエントランスにはルンバ
 iRobot社が作業ロボのオマケでくれたんだろうか


 厚さ1mの鉛の隔壁を抜けると、
  


 Spring-8の源、加速器の入口
  2F(後述)のクライストロンの電子を、
 直線140mの銅の中で加速します。


 白いのはコイル。横にあるのは予備コイルらしい
  

  加速管、銅で140mつながってます

 加速の原理とか、周波数で固まりにする原理とか

 加速管の1ユニット。アルミのモックアップ。本物は銅

 電子銃の射出部を角度を変えて、

  
  途中でビームが曲がってないか確認するOTR(だったかな)



   ドク「マーティ。乾電池で2.1Gワットなんて無理だ」

 この加速器では1Gevまで加速します。


   位置を調整する偏向磁石には、放射線計が。
   

 加速の終点で

 銅線により天井まで上げられ、
 次の工程へ向かいます。



 2Fへ移動して、ライストロン、マイクロ波の発生源
 エネルギーとエレクトロニクスの東芝製

 マイクロ波と書いたように、要するに

 でっけぇ電子レンジです。


 お弁当温めると一瞬で消滅しますけど
 ここから先程の加速管へ、導波管を伝って降りていきます。

 ここだけツアーの都合上順番が前後しますね。

 エネルギーと(略)


 加速器の続きへ戻ります。

 加速器からのエネルギーは、円形の加速器シンクトロンリングへ。

 そちらも放射線管理領域なので個人キーが、
 すべての管理領域で色が違います。ここは黄色。


 シンクトロン内部
 銅管もかなり太くなっています。

 銅管内部は限りなく真空であることが望ましいので、
 真空ポンプと制御装置がつねに稼動しています。


 シンクトロン内部では、加速などの他に、ビームの位置調整を行います。

 2極コイル
 

 4極コイル

 6極コイル

 説明は省きますが、それぞれ曲げ方が異なります。

 シンクトロン内のコイルはすべて、エネ(略)東芝製
 シンクトロンリングから、蓄積リング棟へは、
 緻密なタイミングでエネルギーが送られます。

 それを担うのがキッカーと呼ばれるユニット。

 これがタイミング良く、エネルギーを曲げて飛ばします。


 キッカーで分岐していくポイントの写真




 こちらは周回コース

  こちらが蓄積リング棟方面

 ということで蓄積リングへ
 位置関係はこんな感じ


 ここから別の管理区域に

 ここは青キー


 線形加速機とシンクトロンは崖下の施設なので、
 蓄積リングへは地下から登っていくことになります

 坂を登ることになるので、
 登り口で2極コイルで上に曲げます
 この辺りになると熱も膨大なので、
 水冷の冷却系が付きます。

 これは水位計
 これが異常値を示すと、
 加速器からすべて停止するそうです。

 このシンクトロンと蓄積リング間は、別の業者が落札したらしく、
 コイルも仕様が変わります。

 業者は住友重工

 2極コイル

 4極コイル
  
 6極コイル
 

 そして、蓄積リングへ到達

 ここが蓄積リングとの合流点

 目印はちょっと手前に黒電話


   蓄積リングでも、またコイルのメーカーが異なります。

 2極:東芝、4極:住友重工、6極:三菱電機だっけかな

 これはビームラインへ光を導くキッカー
 電子は循環させたまま、放射光だけ取り出します。

 蓄積リングのエネルギー量を保つ増幅器

 強い光が欲しいビームライン用に、
 電子を磁力で変更して強い光を出す。
 アンジュレーター
 これで加速器ツアーはおしまい。


 最後に中央管制室によってみました。


なんだか色々格好いい

管制室脇の部屋からの眺め


フハハ、ツアー客がゴミのようだいい眺めですね


Spring-8ツアーは以上にておしまい。
最後まで見られた方はお疲れさまでした。

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